■第2回 撫川・庭瀬■
■撫川・庭瀬その1■
■第1回 奉還町商店街■


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●撫川城跡
陣屋町の名残り
岡山県の指定史跡とされている撫川史跡ですが、元々は東100m隣の庭瀬地域と一体の城だったようです。 室町末期に備中松山の三村元親が、備前の宇喜多直家の侵攻に備えて築城。戦国時代の備中攻めの時も、廻りをぐるりと堀で囲まれた沼城は、当時の城主井上有景を秀吉の攻撃から守ります。江戸時代には戸川家が庭瀬城に入府、陣屋を整えたものの本家は4代で断絶。戸川の分家が西側の撫川領分を継ぎます。
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●庭瀬城跡
tanken_0407_03.jpg(33952 byte)●庭瀬城跡の中に建てられた神社。
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■伝統の技 撫川うちわ

tanken_0407_18.jpg(34632 byte) 武士の内職だった「撫川うちわ」
岡元禄12年(1699年)庭瀬城に入ったのは板倉家。三河の城主だった頃に4代将軍家綱に献上するほどの精巧なうちわ作りの技術を持っていました。最初は板倉藩士が内職で作っていたものを、減封された戸川家の家中が習い、藩内を流れる足守川に群生する女竹を格好の材料に盛んに作り始めたといいます。江戸後期には、参勤交代の土産品として珍重がられ「撫川うちわ」としてその名を天下に広めます。この地に残る伝統工芸品の起源は「武士の内職」であった。その所以に歴史の深みを感じてなりません。

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●吉備公民館では、撫川うちわの技術を伝承する講座が開かれている。
匠が伝える技術
武士の内職として始まり、330余年の伝統を持つ高尚優美な伝統工芸品「撫川うちわ」。明治以降は衰退し、戦後は一時途絶えていました。
それを復活させたのは撫川の坂野定香さん・次香さん親子。次香さんは後継者育成と撫川うちわの伝承を目的に、昭和55年から吉備公民館で撫川うちわ講座を開催。昭和60年には、その受講生らで保存会「三杉堂」を結成しました。

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●岡山無形文化財団体指定 撫川うちわ保存会「三杉堂」石原 中山さん
石原 中山さんは、現在9名の保存会メンバーと講座での伝承活動にあたるほか、伝統工芸品としての撫川うちわの製作にも力を注いでおられます。精巧な作り故、最初から最後まで手を抜くところがなくたとえ熟練した腕でも、年間に製品として出せるのは120〜150本くらいだそうです。最近は繊維がまっすぐな女竹(めだけ)の入手が難しく「100本出来ても、3分の1は捨てるんですよ。」と石原さん。
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●保存会の戸田湘惠さん。師匠の志を継ぎ、吉備公民館の講座では受講生の指導にあたる。

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●優雅でたわかやかな風をおこす。ひかりにかざすと、浮かびあがるのは、花鳥風月の絵柄の「すかし」と雲形模様の「歌つぎ」という俳句。
風雅な涼をよぶ
大きさには大・中・小の3種類。一般的に、大「男持ち」、中は「女持ち」、小は「飾りうちわ」といわれています。「すかし」や「歌つぎ」等が施され、大切なかたへの贈り物にしたり、帰省の際のお土産の品として使うのもまた、心憎い感じがします。(価格は8,000円〜)

精密な工程を経て創り上げられた品は、軽くて丈夫。にかわでコーティングされた和紙は防水性に優れ、少々のことでは破れたりしません。何よりも女竹がしなりながらおこす風のたわやかさは格別。観賞用はもちろん、実用的にもぴったりです。今年の夏は、一番小さいサイズの撫川うちわを浴衣に合わせ、縁日や花火見物に出かけるのもなかなか粋なものではないでしょうか。


tanken_0407_13.jpg(33430 byte) 撫川うちわの工程
●骨作り
【鍔攻め】という、刀の鍔(つば)の縁を使って、うちわの骨の要の部分を押さえつけ、竹に弾性としなやかさをつける工程があります。昔、武士の内職であった面影が残っています。 写真は【骨組み】という工程。

tanken_0407_12.jpg(38933 byte) ●紙作り
和紙は高知の楮(こうぞ)和紙に皮を塗った特注品のみを使用。写真は【歌つぎ作り】という文字部分を灰色紙と地紙に分けて切った後、糊で継ぐ工程。

tanken_0407_11.jpg(30193 byte) ●紙貼り
【紙貼り】といって、台板の上で、表紙・中子紙・骨・裏紙の順に貼り、約1週間以上乾燥させる工程。 出来たうちわを柄を下にして立たせると、倒れずにスッと立ち、光にかざして絵柄のすかしが綺麗に出てこそ、製品とできる。

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